空谷の跫音 -7ページ目
嫌だ。って
言えないんだって。
でも だからって
それが 誰かのせいっていうのは
違うよね
不安が押し寄せる中
扉を開けようと
決意するのは
すごく勇気がいる。
きっと
開けてしまえば
そんな不安を抱えていたことなんて
忘れてしまうから
そんな おまじないを唱えながら
もしかして
光ない先かもしれない 扉を
それでも 僕は
押し開ける。
心をつかまれたのは
昔の自分の言葉
見失った今を たちかえらせたのは
知らずにいた あの頃の自分
不安な気持ちの
出どころが
わかれば
不安じゃなくなるの?
あの時も
あの時も
あの時も
言いたかったんだね。
君は 言いたかった。
こんなになるまで
気づかなかった。
フリをしてただけかもしれない。
ごめんね。
気づいてあげられなくて。
ごめんね。
言わせてしまって。
それを
君に。
見つけても
手に入れられない。
写真にとったら
儚さが壊れる。
私の 目と鼻の先にあるのに。
何かみたい
何かに 似ている
でも
何かが 何なんて
どうでもいいけど。
一人になると
時間って
すごく あるんだって
わかる
もてあますくらいに
ここが好きだと言った
この季節が好きだと言った
拾う
拾われ
あの人との思い出
あの人の中の
わたしという 思い出